歯周病

歯やお口の中の健康を保つことは、単に食物を食べて栄養摂取するだけでなく、食事や会話を楽しむなど生涯にわたって豊かな生活を送るための基礎となります。しかし、ムシ歯や歯周病で歯が失われて、歯や口の機能に障害を引き起こすと、全身の健康にも影響を及ぼします。
ですので、歯や口の健康は、生活の質(QOL)や日常生活活動(ADL)の向上や、認知症の予防のためにも重要なのです。

日本人の歯の喪失原因の約40%は歯周病によると言われています。歯周病とは、細菌の感染によって歯を支える周りの骨や組織が失われていく病気です。

歯に細菌の塊であるプラークが付着することにより、歯肉に炎症が生じ、そのまま放置しておくと、歯肉の下の顎の骨まで溶かし始め、最終的には歯が抜けてしまいます。それ程恐ろしい病気であるにもかかわらず、歯周病は「痛み」などの自覚症状が出にくく、知らない間に症状が大きく進行していることもあります。そのため「お口の中のサイレントディジーズ(静かな病気)」とまで呼ばれています。

永久歯の抜歯原因

歯周病のセルフチェック

~思いあたる症状をチェックしましょう~








※上記の項目3つ当てはまる:油断は禁物です。ご自分および歯医者さんで予防するように努めましょう。
※上記の項目6つ当てはまる:歯周病が進行している可能性があります。
※上記の項目すべて当てはまる:歯周病の症状がかなり進んでいます。


Philosophy
歯周病の進行

歯周病の進行 歯周病の進行

健康に楽しく生活するためにも、歯周病の治療、予防処置を受けることは大変重要なことだと考えております。歯周病の治療は、各患者さんの歯肉の状態の詳しい診査からはじまり、プラークコントロール(プラーク等を除去し、付着しないようにすること)の徹底や、歯石除去などを行います。重要なのは、早期発見・早期治療、そして定期的なメインテナンスです。

また歯周病が全身へ及ぼす影響として、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病、誤嚥性肺炎、メタボリックシンドローム、認知症、関節炎、腎炎、低体重児早産などが挙げられます。

メタボリックドミノ

病気は一度に起きるものではく、生活をしていく中で時間を追って、いわばドミノ倒しのように病気は発症していくので、これをメタボリックドミノと表現することがあります。
歯周病や虫歯は、このドミノの最上流に位置しています。「まだ痛くも痒くもないないし、大丈夫。」と思っている歯周病や虫歯の状態であっても、それは病気のスタート地点です。その下流に位置する生活習慣病が発病してメタボリック・ドミノの最初の1枚が倒れてしまうとその流れを途中でストップさせるのは難しくなります。

お口はからだの入り口です。歯周病や虫歯は、全身の組織や臓器に影響を与えると考えられていて、口腔内細菌によりメタボリックドミノが始まると糖尿病や脳卒中、心不全など疾患のリスクも高まります。定期的な歯科検診で、お口の健康を守ることから生活習慣病を予防していきましょう。


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